カテゴリー別アーカイブ: 瘀血について

瘀血(おけつ)について③

瘀血を流す治療は、まず足首と腕のツボを刺激して じっくり治療します。

それは私のバイブル本では定石のツボですが 私にはどうしてそのツボを使うのか 最初はよく解りませんでした(今では とうとうと説明できます)。

特に足首のツボは 鍼をしていても フガフガしていて 明らかに筋肉の起始停止でないのはわかっていたので 不思議でなりませんでした。

しかも 最初のころは一人につき15分で治療を終わらせなくてはいけない 鍼灸整骨院の中の雇われ鍼灸師だったので 瘀血治療にじっくり挑めず・・・・

そんな経験をした後 自分で鍼灸院を開業して じっくり治療できる環境が出来ました・・・・

そこで瘀血レベルが軽度な患者さんに 軽めの瘀血治療をやってみたところ、次回来院してきたとき

患者さん「こないだの治療の後 左のわき腹がだるくて でも翌朝起きたらすっきりしてたのよ!」

と言われ ピンときました!

瘀血が流れたんだ・・・

この時 瘀血が流れるときは 人によるけど だるさや生理痛のような痛み 眠気などを伴う場合があることが なんとなくおぼろげながらわかってきました・・・

だって 滞っていた静脈血が 動き出すんです・・・ゆっくりとしたスピードで・・・

どわーんとした 重いような痛みが伴う場合があってもおかしくないと 頭の中で想像しました・・・。

そしてその数日後 雇われ鍼灸師で働いていた時から来てくださってた患者さんが来院されました。

この方の瘀血レベルはすさまじく 私が”瘀血クイーン”と命名した患者さんです。

私が鍼灸院を開業したということで やってきてくださいましたが 雇われていた折に最後に診た時からは 3か月が経過していました。

左膝が痛いのが主訴でした。整骨院に行ってもよくならないと訴えられ、痛みの場所はどこか尋ねると 内側を押さえたり外側を押さえたり・・・ 要は場所を限定できない感じでした。

両膝を触診してみても 左右差は大してない状態・・・

筋肉系の痛みとは違う・・・と判定し、この方 瘀血クイーンなので とにかく瘀血を流す治療を スペシャルでやってみようと思いました。

そして 定石のツボに加えて ひざ周りの二つのツボも 瘀血の通り道と考え じっくり鍼灸治療してみました。

その折 念のため 「こないだ瘀血治療をした患者さんで 治療の後 どよーんと わき腹が痛くなって 朝起きたらすっきりした話」を伝えておきました。この瘀血クイーンの患者さんの瘀血は かなり壮大なので 相当の鈍痛がきてもおかしくないと予想したからです。

そして次回その瘀血クイーンの患者さんが来院されたとき 私 大喜びしました!

なんと 治療したその日の晩 階段も降りれないくらい 足腰がだるくて痛かったそうです。見るに見かねた旦那さんが 病院に行くかと心配したくらい。でも瘀血クイーンの患者さんは 私が言ってた瘀血が流れる時の痛みかもしれないと思い その晩はとにかく眠ったそうです。

そして翌朝起きたら あらまっ! 身体が軽く すっきり! 2か月間あれほど痛かった膝が全然痛くない!!

・・・それから一年以上経っていますが 瘀血クイーンの患者さん 今では元祖瘀血クイーンとなり、全然膝が痛いと言われません。それどころか定期的に治療に通われ、なおかつ自宅でお灸をされてて、今では顔色も ワントーン以上明るくなり、不定愁訴がほとんどない体調になっています。何より私から見て 顔の表情が優しくて 観音様のようなイメージの患者さんです。。。

とにかく脳みそが筋肉の先生が治療してたら 絶対改善はなかった症例だと思います。

筋肉ばかりじゃなくて その筋肉や 骨に栄養を与えているネットワーク 血管系に目を向けないとおえん! そう改めて教えられた臨床例でした。

この患者さんの臨床結果で この後 さらに瘀血を流す治療に自信をもって挑むことになり、また 治療内容も私流にバリェーションが増え バージョンアップしてきています。

では瘀血治療をすると 誰でも 治療の後 だるくなったり 生理痛のような痛みが出るのでしょうか?

答えは 人それぞれで 治療中 瘀血ポイントに鍼をしてる時は 鈍痛があったけど そのあとは何ともなかったという人が 半分以上です。

高校生の男の子は 足首のツボ(瘀血ポイント)に鍼をポン!と入れた途端

お腹がキュルキュルキュルーーーと鳴って 動きます。反応が 超ピュア!

そして瘀血治療をすると 陸上競技で痛めたハムや 内転筋付近の痛みが半減したりして 最初のころ 彼らはびっくりしていました。

それとは逆に 更年期から還暦を過ぎた方の瘀血治療は 反応が鈍いし 長い場合が多いです。

ひどい人は3日間くらい眠気とだるさが続いたという人もいるし
翌日 一日 ゴロゴロ寝ていたという人もいます。

瘀血の量が多いほど 基礎代謝量が低いほど 眠たくてだるい時間が長いようです。

治療の刺激量(鍼の数や太さ 長さ 刺激時間)は その人の体力や年齢以外にも色々考慮し、かなり慎重に刺激量を決めています。

瘀血治療をすると 生理のある方は 次回生理の量が増えます。瘀血が月経血として流れるのです。

それ以外の方は 翌朝一番のおしっこの色が いつもの色よりちょっと赤っぽかったりするようです。瘀血は腎臓という名の血液の下水処理場に行き おしっことして出るのです。

瘀血治療を続けると

顔色が白く 明るなり 透明感が出てきます。

お腹の瘀血ポイントにあった圧痛や 瘀血の塊が目立たなくなり、慢性痛の五十肩や腰痛がなくなったり 動悸が治まったり 生理周期が安定してきたり 生理痛がなくなった アトピー症状が改善した・・・ 冷え性が治った・・・ あらゆる症状の患者さんが笑顔になっています。

瘀血の影響は恐ろしいと 日々 臨床現場で感じている私です。

毎度瘀血治療する際 患者さんにとうとうと 瘀血とはこれこれこーで・・・から始まり ここまでの内容を治療しながら説明していたんですが、説明するだけで すごい疲れます、、、

だからこの記事をHPに書いて 瘀血治療が終わったら読んでもらおうとたくらんで書いたものです

瘀血(おけつ)について②

瘀血を流す治療を具体的に説明しようと思っていましたが、それは次に回して

まず瘀血反応ってどういうこと?という疑問が浮かぶ方もおられると思います。

実際臨床で所見を取っている最中

私「瘀血があるな・・・」とつぶやくと

患者さん「えっ? 瘀血?」と言われ

私が瘀血とは これこれこーで こういう滞った血なんですよと説明すると

患者さん「私にはあるんですか?」と 返されます。

そこで 私が患者さんに説明することをこれから記します。

まず 私は患者さんの顔色を診ます・・・。

  • 顔色が赤黒い ないし 黒っぽくて透明感がない
  • 目の下にクマがある
  • 舌の裏側に 青紫色のナメクジみたいな静脈が プリッと浮き出ている

このパターンは かなり瘀血反応陽性と頭にインプットします。

それから皮膚を見て

  • 肌の表面に 細い赤紫色の糸ミミズのような血管が 網の目のように広がっている人
  • 打った覚えもないのに 内出血がある  またはよく内出血を作りやすい
  • 夏の虫刺されの跡が 冬になっても残ってる

なども ポイント高いです。

他にも

  • 最近または年単位で顔色がくすんできた
  • 閉経間際ないし 閉経した
  • 生理周期が不規則
  • アレルギー体質(アトピーやじんましんなど)
  • 動悸がある

なども 瘀血ポイント加算です。

まだまだ診断基準あります・・・

  • 最近大きなケガをした
  • いくら寝ても疲労が抜けなくなった
  • 膝 腰 肩が痛いんだけど 場所をピンポイントで特定できない(内側だったり外側だったり)

そして腹部触診で一定のポイントを押さえてみて 最終的に瘀血があるかどうか確定します。

次回 いよいよホントに 瘀血を流す治療について説明します。。。

瘀血(おけつ)について①

“瘀血″・・・”おけつ”と読みます。

瘀血の ”瘀”の字の意味を調べると 「血が滞留すること」とあります。

身体に溜まった古い血、身体のとある部分(大体溜まりやすい場所は解剖学的にも決まっています)に停滞し 循環が滞った血のイメージです。

血液は約3カ月間で すべて新しいものに生まれ変わります。

瘀血は言わば 3カ月経っても リサイクルされていない血で、その瘀血が原因で実に様々な慢性疼痛や、内臓機能に影響が出てきます。

私が瘀血を流す治療をまず下ごしらえ治療としてやるようになったのは2年前からです。それまでは瘀血なんてほとんど気にせず 筋肉の起始停止に鍼をして緩めることを主軸に治療していました。

鍼灸学校では瘀血という言葉は習いましたが、瘀血を改善する治療について詳しく特化した授業は受けていませんでした。しかし臨床現場でいろんな疑問にぶち当たり、「長野式臨床の本」に出会って、この本を熟読するうちに 瘀血がどれだけ悪影響を及ぼすか解り、まず「瘀血があるかどうか」の目線で患者さんを診察するようになりました。

すると実際 慢性疼痛を訴えている患者さんの多くに 瘀血反応があることがわかってきました。

さて そうなると次は 瘀血を流す治療についてです!

血管に穴を開けて 古い血を出すなんて怖いことするわけじゃありませんよ

次回投稿 「瘀血について②」につづきます。。。